「おはようございます。」と、登園する子どもたちは身支度を済ませると自由に自分がやり
たいことに取り組み始めます。部屋の環境は、毎日の生活を大切に過ごせる日常生活に
関するもの、感覚、言語、数、文化に関する物をそれぞれ使いやすいように棚に配置して
あります。子どもの興味や関心は様々ですから、多くの教材が準備されています。自分
のやりたいことを選び、納得がいくまでなんども繰り返し行うことで満足感や達成感が感
じられ、それが自身へとつながります。
このように自由な選びのある生活ではありますが、この自由はやりたい放題の放任では
なく用途に応じた使い分け、正しい使い方を知り、次に使う人のためにきちんと片付けるな
ど、ルールに基づいた自由です。園では子どもたちの自主性を大切にしていますが、今ま
で指示されて育ってきた場合やりたいことを見つけられない子や自分で決められない子も
います。自主的に活動する子どもの姿はいきいきとしています。
子どもがいきいきと生活するには、なんでも大人の側から与え押し付けるのではなく、「自
分で考える、見つける、選ぶ、工夫する」といった子どもが主体性を持って活動できるよう
に、ひとり一人の発達や個性に応じた生活ができる環境を整えることです。子どもの側に
立った教育のためには幼稚園にすべてを任せるのではなく、お父さん、お母さんの協力が
必要となります。お互いに力を合わせていきましょう。
子どもはかけがえのない宝物、神さまからの贈りものではないでしょうか。お母さんにとっては
おなかの中にいるときから命を身体で実感し、お父さんは産声を上げたわが子をこの手で抱き
上げた時、父親としての実感がわいてきたのではないでしょうか。毎日子どもの成長を見守る
中で、時には悩み、心配し、喜びを共にし、育ててきたことでしょう。
子どもを育てていく中でいちばん大切なことは、子どもが「愛されている」と感じることです。自分
は愛されていないと感じて生活をしていたらどうでしょう。自分の存在を否定し、心を閉ざし、人
の気持ちを理解することは出来ないでしょう。人を愛するには「愛されている」という体験がなけ
れば出来ません。私たちは子どもたちに、この世界を創られた神さまは、ひとり一人を愛してあ
られることを伝え、その神さまからの贈り物である子どもたちに教師や良心が愛を注ぎながら共
に協力しあって成長の手助けをしていきたいと願っています。
「神は愛、であるようにあなたたちも互いに愛し合いなさい」